ユニフォームの豆知識
何でも、”家庭洗濯” できるのですか?| “シミ” はどうやって取る?|ビニール袋は、はずす?はずさない?
何でも”家庭洗濯”できるのですか?
最近、”家庭洗濯(ホームクリーニング)”がもてはやされていまして、ウールのセーターやビジネススーツまで洗ってしまおうという時代になり、ユニフォームも例外ではありません。
洗濯機の性能も進歩していて、確かに洗おうと思えば、洗えるものも少なくないのでしょうけど、「洗える」ということと、“ていねいに、きれいに洗う”ことは同じではありません。
ですから、”家庭洗濯可”と表示がされていたり、カタログに書かれていても、他のシャツやバスタオルなどと一緒に、ジャバジャバ洗濯機でまわしてしまうのは避けたいものです。
手間でも“手洗い”か、もし洗濯機を使う場合は、正しい設定で、“ファスナーは閉めて、ホック、ボタンは留める“ これだけでも、ユニフォームの寿命は随分違ってきます。
また、“洗濯ネット”を上手に活用すると、衣類の傷みを防ぎ、他に手間ヒマを少なくすることもできる便利なスグレモノです。
洗濯ネットは、洗濯時のスレやもみ作用から衣類を守ることの他に、①からまりなど衣類同士が引っ張り合う力を防ぐ、②ボタンや飾りを守る、ホックなどの引っかかりを防ぐ、③型崩れなどを防止する、④糸くずやゴミなどの付着を防ぐ、⑤色移りを防ぐなどの効果があります。
濃い色の衣類、プリント、刺しゅう、飾り付き衣類は、その部分を保護する意味で、裏返してから洗濯ネットに入れましょう。ただし洗濯ネットに入れると、やはり汚れ落ちが悪くなるので、汚れ部分はできるだけ外側に向けて洗濯ネットに入れるようにしましょう。また、ネットにたくさん詰め込み過ぎないようにします。
洗濯ネットは、上手に使えば、ユニフォームにとって大変便利で強い味方となります。
事務服や看護衣などユニフォームのまま焼肉を食べに行く人もいないだろうと思います(作業服なら見かけますね、、)が、タレやキムチが付いたらどうすればいいでしょうか?
シミはついてから時間が経てば経つほど取れにくくなります。だからこそ、シミがついたらすぐに落とすことが大切ということは言うまでもありません。またシミ抜きには、そのシミに合った色々な方法があり、判断を間違うとよけいに取れなくなることもあります。
たとえば焼肉のタレの場合、シミ部分を軽く水にぬらし、“「台所用」中性洗剤”をつけて、もみほぐしシミ部分を簡単に水洗いしてみましょう。それで取れていればラッキーですが、だめなら、”漂白剤”を使用することになります。
漂白剤を使用する場合に一番注意しなければならないことが“地色の色ハゲ”です。漂白剤を使用する場合は、目立たない所で必ずテストをしましょう。
家庭で一番安全に使える「漂白剤」は、液体酸素系漂白剤でしょうか。これは過酸化水素(消毒で使うオキシドールと同じ)が主原料ですね。ウールやシルク、色柄物にも安全に使用できるのです。
手順は、シミ部分に綿棒などで漂白剤を塗り、“ドライヤーで加熱”しますが、くれぐれも目を離して“色ハゲ”しないように注意します。もちろん、漂白剤を適量溶かしたぬるま湯に、つけおきするというよく知られた方法もあります。シミが取れれば完了で、あとは通常の洗濯をします。
ところで、板前さんやコックさんが着ている白衣(コックコートといいます)は、実は綿の本来の色は“生成り”(オフホワイト)といって、それを晒して“白い染料”で染めてあるのです。つまりコックコートは、“色柄ものの一種”と言えるわけです。ですから、強力な白物専用の漂白剤を使ってしまうと、“地色が色ハゲ”してしまって、くすんだサラリーマンのコートのような色になってしまうのです。
上記のシミ抜きは、”絶対的な方法”ではありません。アイテムごとに方法は異なりますし、実践はあくまで自己責任となりますので、念のため申し添えておきます。
焼肉屋さんで出された袋に入ったおしぼりで、あわててキムチのシミを取ろうとすると、おしぼりの消毒に使われている塩素で変色してしまうこともありますので、くれぐれも注意してくださいね。
衣替えの季節、「さあ、明日から、」とユニフォームを出してみると、虫食いや黄ばみやカビが生えていたりシワクチャになっていたりしたら、どうでしょうか?テンション下がりますね。
そんなことにならないように、ユニフォームの収納・保管と日頃のケアをきちんとしておくことが、最も大切なことです。特に防虫対策とカビ対策は、しっかりしないといけません。
ところで、クリーニング店からできあがったユニフォームには、ビニールのカバーがかけられていますよね。このビニールカバーは、はずすべき?はずさなくていいの?
包装されたまま収納すると、湿気の多い日には、袋の中に湿気がたまって、カビが付いたり黄ばんだり、型崩れが起こることがあります。
また、クリーニング店ではアイロンなどで仕上げを行う場合に、スチームを使用しますが、この時に十分に湿気が抜けないまま包装をしてしまうと、湿気を含んだ状態で収納することになってしまいますよね。
つまり湿気対策という点では、やはりはずして収納した方がよいということができます。しかし他の要素をトータルでみれば、はずさない方がよいということもいくつかあげられます。
まず、“シワができにくい”こと。素材や収納状態によりますが、ビニールカバーがあるのと無いのとでは、シワのよりかたが随分違ってくるでしょう。
そして、“ホコリがつきにくい”こと。ビニールカバーがないと、せっかくキレイになっているのに、ホコリやタバコのヤニがついて汚れてしまいかねません。
カバーをはずさないことで、このようなよい点があります。
ただし、少し気になる点が一つあります。
ドライクリーニング後には、当然ドライ溶剤を乾燥させているのですが、乾きの悪い分厚い衣類では、完全に乾燥できていない状態のまま包装されてしまうことが、ごくまれにあるようです。
そしてドライ溶剤の中でも、特に石油系溶剤が残っている状態で衣類を着用すると、個人差がありますが皮膚が弱い人や化学物質に過敏な人の中には、ひどい場合、かゆみや痛みなどを起こしてしまうことがあるそうです。
これらのことを考えますと、クリーニングから戻ってきたら、ビニールカバーをはずし、しばらく陰干ししてから、できれば型崩れ防止のためハンガーもしっかりしたものに変えて、カバーをかけ直し、収納するのがよいのではないでしょうか。